今日は少し前に話題になった「育休を延長するためにわざと保育園に落ちる」と言うことについて考えてみたいと思います。
わざと保育園に落ちるとは?
通常、育休は子供が1歳の誕生日を迎える前日までの1年と決まっています。しかし、保育園に入ることができなかったなど、特別な事情がある場合には、例外として半年延長して1年半、その後さらに延長してMAX2年まで育休を延長することができます。
保育園に入ることができず育休を延長するためには保育園を落ちた証明である「不承諾通知」を手に入れる必要があります。そのため、激戦の園1つにしか申し込まないなどをして"あえて"保育園を落ちる人達がいます。
なぜわざと保育園に落ちることが批判されるのか?
少し前にこの件が問題になった時の批判内容は以下の様な内容でした。
・本当に保育園に入りたいと思っている人の枠が減ってしまう(保育園に入れない人がいる中で、保育園を辞退する人がいることで本当に入りたい人が希望の園に入れないなどの影響がある)
・入園辞退による事務手続きの負担が園や役所で発生している
・職場は復帰前提で動いていたのに直前に育児休業を延長されてしまい人員の補充を急に迫られる
etc...
そもそも育休1年は妥当なのか?
以下の記事では(4年前なので少し古いですが)、世田谷区では約22%の人が育児休業延長を狙って"あえて"保育園に落ちているのではないかと言われています。
親が保育園「不承諾通知」望むのは国の制度に問題。改定求める世田谷区
実に4人に1人も育児休業の延長を希望している訳ですので、落ちる人達にもそれなりの理由があるのだと考えます。
私が思う延長したい理由は以下です。
・1年での職場復帰はワーママにとって負担が大きすぎる
・子供の成長を少しでも長く自分の目で見ていたい。(仕事をやめるわけではないが、仕事よりも育児に専念したい。)
1点目については、私は未経験ですが安易に想像ができます。
昨今は夫婦共働きが普通になっており、女性も産休・育休前にはバリバリ働いている人が多いです。
フルタイムで戻って、職場からは休業前と同等の仕事を与えられて、平日の旦那の支援が受けれなくて、実家も頼れなくて、ワンオペで育児と仕事をすることを考えるととてもこなせるイメージが湧きません。
私の会社でも、フルタイムで戻ったものの子供の熱で休まないといけないなどの理由により頻繁に業務を抜けている社員に対する風当たりがそれなりにあると言う部署の話も聞きました。
正直、周りの社員の気持ちも理解できる、と思います。時短勤務であれば働く時間が短い分、給料もそれなりにしか貰えません。一方でフルタイムで戻っている場合、給料は他の社員と変わらないわけです。それなのに職場復帰した同僚が頻繁に休むなどで仕事が回らない、自分の負担が増えるなどした場合、ストレスが溜まる気持ちも理解できます。
そうなると、フルタイムで戻る場合には、仕事をして、子供を迎えに行って、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、その後に溜まった仕事をして…といった生活をワンオペでこなすことにかなり無理があるのではないかと思います。旦那さんが早く帰宅できる業種で家事育児に協力的であればまた変わってくるのかも知れませんが、全ての家庭がそうとはいかないと思います。
じゃあ、育休を元から2年に延長したら上記の問題が解決するのか?と聞かれるとそれに対してはNoだと思います。結局1歳でも、2歳でも育児にかかる大変さは変わらないので、解決するには育休期間延長ではなく、他の支援が必要だと思います。(お迎え、家事代行など)
フルタイム前提でないと保育園に入れない場合もある
「1年での職場復帰はワーママにとって負担が大きすぎる」についてもう一つ思うのは、職場復帰はしたいと考えているママで、子供の慣らし保育や、自身の職場復帰をリハビリしながらやりたいと思うママが時短勤務を選択した時に保育園に入れるのかと言う問題です。
保育園の申請書には職場復帰をどのくらいするのかを記載する項目があります。基本的には週5フルタイムでの職場復帰のケースがもっとも点数が高く、時短勤務で働く時間が短ければ短いほど、点数は減って行きます。そのため、本当に保育園に入れたいと思ったら週5フルタイムで申請しなければ保育園に落ちてしまうと言うことが起こります。(ここの条件は自治体や保育園の倍率により異なるため一概には言えませんが。)
そのため、認可保育園に落ちた後に、認可外の保育園や幼稚園などに通わせながら職場復帰すると言うママも一定数いらっしゃいますが、やむないことだなと思います。
他に考える育休を延長したい理由
実は私も育休を延長したいと考えている一人です。
その理由は2人目の出産を考えており、連続育休に入りたいからです。
昨今、女性の出産の年齢が上がっていることは皆さんご存知だと思いますが私も今年35になり出産時には世間的に高齢出産に該当します。
35歳で1人目を産んだ後に、もう一人欲しいと考えた場合に、一度職場に戻ってキャリアを再構築してとゆっくりやっている時間がないのです。とはいえ、子供は授かり物なのでそんなにすんなりできるものでもありません。また、年子での出産は育児も大変であり、最低でも2学年は間を空けたいと思った場合に、1年で職場に戻ってまた数ヶ月で産休に入りますと言うのは職場に逆に迷惑がかかると私は考えています。
仮にフルタイムで戻ったところで、産休前のバリバリ仕事していた時と同等の業務量はこなせないし急な休みも貰わないといけないことがあると思います。そのため会社は与える仕事の内容や分量の調整など、色々と気を使う必要があります。
そこまで気を使ったのに数ヶ月でまたいなくなる、追加の人材を呼ばなければならないなど…。
ですので、2人目をすぐにと考えているのであればいっそ育休を1年ほど延長して、妊活に取り組んでそのまま産休に入ったほうが私としては会社も自分もHAPPYではないかと考えています。
また、給付金の面でも一度職場に戻ってしまうと戻った時の賃金が育児休業給付金の金額の算出に使われますが、第一子産休前の給与よりも減ってしまうケースの方が多いと思います。
第一子の育児休業から連続して第二子の産休・育休に入る場合には、第二子の育児休業給付金の金額算出は4年前まで遡ることができますのでフルタイムでバリバリ働いていた頃のお給料をベースに算出することが可能です。
1年育休延長して、2人目を授かることができなければ、職場に戻るのもアリだと考えています。
また、仕事をしていない期間が長くなるので、2人目の育休明けに仕事に戻れるのか?と言う不安もあると思いますが、そうされている人も周りで見てきましたし、本人の努力次第だと思います。(1年のブランクでも同じですので。)
以上により、私は保育園にわざと落ちることは悪だとは思えません。最近では、育休を延長したいママのために申請書に「育休延長を希望する」と言うチェックボックスが追記されていて、それにチェックすることにより、本当に入園したい人達が優先される仕組みもできてきたので、各々の家庭の事情に合わせて入園できたり入園を見送ったりがもっと自由にできるようになればいいな、と思いました。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。